日機関

基本情報

日機関
ついたちきかん
the Tsuitachi Organization
活動拠点 仁藩

概要

 仁藩において、世に蔓延る“人ならざるモノ”1)2)に対し、如何に対応するか検討及び実行する、陰陽師やエクソシストのイメージに近い“組織”である。ただし組織としての実体はあまりなく、概ね2つの宗派(一族)の総称として用いられる。日中の活動を主とした昼護一族の方が、夜護一族よりも規模や人々からの認知度は高い。

歴史

 設立当時は「人ならざる者を例外なく悪である」としてそれらを滅する・誅する機関として存在していた。ところが時が下り「人ならざる者に対峙する為に人ならざる者を使役する」考えを持つ派閥が生まれた。両派閥はそのまま同一の組織で動くことが困難となり、大元の派閥が「昼護」、使役側の派閥が「夜護」と名乗りそれぞれの宗派・一族として活動するようになった。「日機関」はこの2宗派を総称する名称として役割を変えることとなった。

構成宗派

昼護一族

(ひるもりいちぞく/the Hirumori clan
 由緒ある《光使い》の一族で、人々を魑魅魍魎、すなわち“人ならざるモノ”から護る事を使命としている。昼護の名は“昼に生活する人々を魑魅魍魎から護る”という目的で名付けられた。

本家

昼護家

(ひるもり―/Hirumori family
 昼護一族の本家。日中活動する者(人)を、悪しき“人ならざるモノ”から護る事を目的としている。“人ならざるモノ”は例外なく全て悪とみなし、それらを滅する・誅する為に日々活動を行っている。この活動のため、高い能力、厳しい作法、厳格な掟等、必要とされるものが多い。現当主を「当代とうだい」、次期当主を「御継おつぎ」と呼ぶ。
 《光使い》能力の継承及び強化を図るため、昼護家の継承についても厳格なルールによって決められている。まず、御継の子供うち一番年長(通常は御継の長男長女)が24歳になった時点で、その世代の中で最も《光使い》の素質が高いものが選ばれて「御継候補」となり、とある血筋や家系(位の高い一族)から婚約者があてがわれる。また、御継になる為の特別な訓練を行い続ける。当代が死亡し御継が次の当代になった時に、問題が見られなければそのまま御継となる。昼護家を継ぐ事ができなかった子供達は24歳までに自らの姓を「昼護」から「昼守」に変更し、昼守家の使命を全うさせられることが命じられる。
 名前に“昼護家が護る対象”となる字(例:人、民、衆等)が入る。

傍流

昼守家

(ひるかみ―/Hirukami family
 昼護一族のうち本家と昼護七家を除く家系。「昼護家を守る」から命名され、その名の通り昼護家に仕える事を命じられている家系である。昼護一族の出自でありかつ昼護家から認められれば良いため、昼守家は複数の家系がある。
 昼守家の子供も24歳になった時点で昼護家による能力の見定めが行われ、一定レベルに達していればそのまま昼守家としていられるが、そうでなかった場合は昼守姓も剥奪され何か適当な姓を名乗らされることとなる。また、その時点で昼護一族の部外者扱いとなる。

昼護七家

(ひるもりななけ/Hirumori-nanake (the seven houses of the Hirumori clan)
 昼護一族の中で重要な位置を占める7家で、総称して「昼護七家」と呼ばれる。決して本家になることはないが、様々な形で昼護一族をサポートする、一族に無くてはならない家系である。

昼衛家

(ひるよし―/Hiruyoshi family
 昼護家の人間を守るために作られた家。戦う上での戦力としては昼護一族内でもトップクラスであり、単純な戦闘のみであったら、昼護本家を超える者も存在する。代々竹を割ったような性格の者が多い。本家に対しても臆せず自由に発言する。また、野心や叛逆心というのを知らないぐらい一族に尽くす者が多い。そのため一族内でも皆から信頼されている。
 名前に「寅」又は「虎」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《炎使い》の能力を持つ。

昼鎮家

(ひるたね―/Hirutane family
 一族内の規律や治安を守るために作られた家。昼護一族全体の規律と調整を考える。自分にも他者にも非常に厳しい者が多い。その力は、外(人ならざるモノ)ではなく内(一族内)に向けられることが多い。力の内容は一族内でも知られていない。他の一族内とも少し距離を取っているが、本家に対しての忠義は非常に高い。昼護家や一族に対する不平不満を自身が引き受けるように立ち回る。
 名前に「巳」又は「蛇」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《氷使い》の能力を持つ。

昼葵家

(ひるあお―/Hiruao family
 一族の和や協調性を守るために作られた家。最も昼護家に忠義を尽くす家として知られる。温和で人当たりの良い者が多い。一族内の諍いや揉め事を仲裁する役目をかっている。しかし昼護家に仇なすモノに対しては非常に攻撃的になる。
 名前に「未」又は「羊」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《水使い》の能力を持つ。

昼防家

(ひるふせ―/Hirufuse family
 強力・強大・多数で現れた人ならざるモノを滅するために作られた家。昼護七家の中では最も現場に出ることが多い。任務を忠実に遂行する者が多い。現場に出ることを嫌う者は少ない。
 名前に「午」又は「馬」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《風使い》の能力を持つ。

昼庇家

(ひるかば―/Hirukaba family
 一族と仁藩政権や防衛・警察、報道関係者との情報交換、対応・対策を行うために作られた家。口達者な者が多い。口だけではなく戦闘能力も高い。外部の情報収集にも努めている。性格は様々だが、多くは社交的な性格。
 名前に「卯」又は「兎」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《土使い》の能力を持つ。

昼保家

(ひるたも―/Hirutamo family
 一族が所持する装備、書物、記録、アイテム等を保存、保管するために作られた家。掟や法に厳しく、順守する者が多い。非常に頑固で、相手が昼護本家でもそれが掟や法に反する可能性がある場合、咎めることを厭わない者もいる。また個人戦での戦いを得意とする者も多い。
 名前に「辰」又は「龍(竜)」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《雷使い》の能力を持つ。

昼佑家

(ひるひと―/Hiruhito family
 一族内部の情報管理や、誰をどこに派遣するか、誰がどのような能力を持っているかなど人事や内部情報をまとめるために作られた家。初代昼護本家の実弟から始まった。昼護七家の中でも、本家から相談や意見を求められることが多い。
 名前に「申」又は「猿」の字形が入る文字を用いる。《光使い》と《植物使い》の能力を持つ。

夜護一族

(よるもりいちぞく/the Yorumori clan
 人々を魑魅魍魎、すなわち“人ならざるモノ”から護る事を使命としているが、昼護一族とは異なり、“人ならざるモノ”を使役して、その力を制し御する方法を採る。

本家

夜護家

(よるもり―/the Yorumori
 夜護一族の本家。昼護でいう夜に活動するモノ(人ならざるモノ)を、同じく夜に活動するモノの力を使役して平穏を保つことを目的としている。ただし、制御しきれないモノには封印し制御方法を考えることもある。人ならざるモノは 基本的に制御し使役することで、人の体ではなしえぬ力を得られることから、それらを誅し、消滅させることよりも、捕獲し制御する活動を行う。そのため、昼護家との考えの違いから衝突することもある。
 「夜護家」と言っても「夜護」を名乗れるものは当主になった者一名のみであり、その当主自身も当主になる前は別の姓を名乗っている。夜護家の継承については厳格なルールがあるわけではないが、現当主が引退、死亡した時に、一族全員で次の当主に誰が最も相応しいかを相談し決めていく。決める方法は複数ある。過去には、議論、実績、投票、実戦などで決められている。名に関しては特にしきたりや規則があるわけではなく、自由に名付けて良い。

夜護五ヶ祖

(よるもりごかそ/Yorumori-gokaso (the five founder families of the Yorumori clan)
 夜護一族の祖となる5家の総称。即ち、日機関が昼護一族夜護一族に分離する前からある家系である。これらの家系は昼護一族と同じように名前に特定の文字や意味する物が含まれており、それは今でも続いている。これは、昼護と袂を分けても、日機関の一員として仁藩と人々を護る志は変わらないという意思表示である。

夜守家

(よるかみ―/Yorukami family
 夜護当主を輩出することが多い家系である。噂・思念体の類いを従えるのが得意なものが多い。
 名前に「子」又は「鼠(鼡)」の字形が入る文字を用いる。

闇役家

(やみえき―/Yamieki family
 《闇使い》としての能力を代々受け継ぎ、その力をもって人ならざるモノを従える。戦闘力が高い者が多い。
 名前に「亥」又は「猪」の字形が入る文字を用いる。

暮迎家

(ぼがい―/Bogai family
 情報の収集や道具の調達を得意とする者が多い。道具を使用して人ならざるモノを従える。
 名前に「酉」又は「鳥」の字形が入る文字を用いる。

宵扱家

(よいそう―/Yoisō family
 人ならざるモノを理解し協力関係を結び共闘する。多数の人ならざるモノと共闘する者や、1体とのみ共闘する者などそれぞれ異なる。
 名前に「戌」又は「犬」の字形が入る文字を用いる。

晩従家

(ばんじゅう―/Banjū family
 人ならざるモノの力を自身に憑依して力を使う。特に霊や魂を憑依させるのが得意。一度に複数の魂を憑依させることができる者もいる。
 名前に「丑」又は「牛」の字形が入る文字を用いる。

夜護一族その他の家系

暗狩家

(くらがり―/Kuragari family
 遠距離攻撃、侵入、潜入が得意な家。《闇使い》が得意な者も多い。

昼狩家

(ひるがり―/Hirugari family
 元々昼護一族家系であったが、2090年頃に離叛し夜護一族へ移籍した。《光使い》及び《闇使い》の能力を用いる。
 代々、名前は人偏の文字1文字のみで名付けられていた3)

夕仕家

(ゆうし―/Yūshi family
 要人の護衛や警備を担当することが多い家。防御力に秀でた人ならざるモノを使役する。

深召家

(みしょう―/Mishō family
 霊魂を召喚して使役するのが得意な家。

関連事項

護国十二天将

(ごこくじゅうにてんしょう/Gokoku-jūni-tenshō (the twelve anti-nonhuman guardians of Nippan)
 仁藩が“国として”人ならざるモノと対峙しなければならなくなった時に活動する12人の総称。日機関、つまり昼護一族及び夜護一族から合わせて12人選ばれるが、その割合は時によってまちまちである。メンバーの入れ替えは、昼護本家及び夜護本家の当主が変わった、もしくは何らか任意のタイミングで行い、その時に開催される「御前試合」の勝者12人が新しい護国十二天将となる。敗者12人は補欠員となり、万一護国十二天将のメンバーが大怪我や死亡等活動が出来なくなったときに補充される役割となる。

御前試合

(ごぜんじあい/Gozen-jiai (a match game in the “top” presence)
 新しい護国十二天将を決める際に行われる試合。昼護一族及び夜護一族からそれぞれ12人ずつ選抜し、能力による試合を行う。試合の形式は定まっておらず、一対一の個人戦、十二対十二の団体戦等その時の“御前”が決める。
 “御前”も時代によって変わり、昔は朝廷の最高権力者であったが、現在は仁藩特異国防機関の最高権力者及び最高指揮官である。

1)
噂・思念体を示すことが多い。
2)
亜族及び神族は人に分類される。
3)
昼狩作が“名前1文字縛り”を止めた。